彼との出会いは、都内の出会いカフェでした。
今はどうか分かりませんが、私が20代前半の頃は、都内の様々な場所に、今でいうパパ活ができる場所が沢山ありました。
当時、私は風俗嬢。
特別、お金に困っていたというわけではありませんでしたが、仕事での挫折で自暴自棄になっていた頃、元々興味のあった風俗の世界に足を踏み入れたことがきっかけでした。
若いというだけで、ちやほやされる風俗の世界に、私はどっぷり浸っていました。
そんな私の勤務する店の近くに、出会いカフェがありました。
風俗の仕事の後は、暇つぶしに出会いカフェへ立ち寄るのが日課でした。
出会いカフェには、純粋な交際を求めに来る方も居ましたが、私の目的は「ワリキリ」。
料金設定が決まっている風俗とは違い、女としての価値がそのまま小遣い料として反映されるシステムに、私は面白さを感じ通っていました。
そこで出会ったのが彼です。
年齢は50代。白髪に焼けた色黒の肌。ビシッと着こなしたスーツに、高級腕時計をキラキラさせながらも、少年のような笑顔をみせる彼。
そんな彼に魅力を感じ、私は彼の誘いに即okしました。
初回は、近場のラブホテルへ行きました。
セックス自体は淡白なものでしたが、色んな話をしてくれる彼に、次第に私も打ち解け、気付けば月に何度もデートを重ねる仲になっていました。
金額は1回5万円と、当時の相場通りです。
金額というよりは、私は彼の人柄に強く惹かれ、楽しく交際を続けていました。
私の性格全てを受け入れ、どんなワガママにも笑って応えてくれる彼。
将来の夢や日々の悩み、恋愛など。子供じみた私の話にも耳を傾け、真剣に話を聴いてくれていました。
今思えば、何でも話せる彼は、当時の私にとって、友達以上の支えになっていたように思います。
約2年間続いた愛人交際は、私がある男性に恋をすることで終わりを迎えました。
彼は、恋をしながらでも関係を続けることを望んでくれましたが、私の方がセックスに応じることができなくなり、交際を断念せざるを得ませんでした。
あれから10年。
私は今、あの時恋をした男性と結婚し、育児に奮闘する日々です。
今でも、たまに彼の笑顔を思い出します。
明るい彼のことだから、年齢を重ねた今でも、どこかで若い女性を笑顔で誘っていることでしょう。
そして、誰かの支えとなっていればいいなと、そう望んでいます。
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